一日体験入社
先日、ある卸売業の会社に訪問してきました。
パートを入れて80名程度の会社ですが、来春初めて新卒を採用することに。
9月ごろから会社説明会を数回開き、4名の新卒者に内定を出しています。
この会社の採用方法で面白いのは、全部見せちゃえ!ということで、説明会の次のステップを1日体験入社にしていることです。
体験入社をして会社への興味を膨らませた人だけが次の選考に進むのです。
結構強引な印象を受けましたが、説明会後に学生の本気度がわかりますし、体験入社に参加したほとんどの学生は参加してよかったと答えるようで、面白い取り組みになっています。
この体験入社では、営業社員への同行がメインなのですが、体験を終えた学生の感想は
・営業という仕事をもっと軽く考えていました
・仕事をするということがどういうことなのかわかりました
といったものが多く、
「働くということ」をもろに感じ、学生生活がいかに甘いのかという現実を思い知らされるようです。
それでも、半数以上が選考に進むということですから、大きな気づきを得るよい機会になっています。
実際の仕事内容はなかなかイメージできないものです。
早い段階で仕事の現場を見せる同行訪問も面白いなあと思いました。
また、気づきを得るだけでなく、機会を与えてくれたことに感謝する学生も多くいるようです。
社長が体験入社を取り入れた理由として話していたのは、
同社の商品は学生がどんな会社に入社しても接点のあるものなので、どこでどういう縁ができるかわからないから、その裏側を知っておくのはとても勉強になるはず。仮に今回縁がなくても、今後の人生に少しでも役立てばうれしい。
といった内容でした。
自社の採用ということだけでなく、若者の教育という視点でもこの体験入社をとらえていました。
こういうスタンスで臨んでいるから、学生にも気持ちが通じるのではないかと思います。
まさに「オープン!」という感じですがすがしさを感じますね。
また、この社長は学生の質の高さに驚いていました。
説明会に参加するころは、ろくにHPも調べていなかったり、明らかに企業研究が甘いことを感じるのですが、体験入社後の選考ステップでグループディスカッションをさせてみると意外にも質が高いことに気づいたそうです。
同社では、「気づきを得る」ということを今年のスローガンに、社員に口酸っぱく伝えているのですが、あるテーマで学生にディスカッションをさせたところ、「気づきを得る」ということが一番大切だという結論に達したそうです。
学生たちが自分たちで自社のスローガンにたどりついたということで、自社の社員よりもレベルが高いのではと感心したと話していました。
社内には、既存の社員が危機感を感じ、刺激を受けるようにと、学生がディスカッションの際に書いた「気づく」というメモが社内には張り出されていました。
先輩にとっては大きなプレッシャーですね(笑)