大卒の職人育成に向けて
先日訪問したヤマシナ商事 という鎌ケ谷の会社。
住宅設備施工やリフォームを行っている会社です。
この会社では、若い職人を育てるための面白い取り組みを行っています。
その名もU-1グランプリ。
若手職人が技術を競う技能選手権みたいなもので、今週に第一回大会が開催されます。
住宅設備機器メーカーのINAXと組み、今後は全国にその活動を広げていく予定です。
この技能選手権は過去にない取り組みなのですが、若手向けのイベントで、参加資格は経験10年未満、40歳未満ということでした。(若干違うかもしれません)
ベテランの職人さんの多くは、自分の時代にこういうイベントがあれば是非出たかったと悔しがっているようです。
職人さんは、ある程度技術を身につけて独立すると、案外、井の中の蛙になってしまうようで、他の職人さんの技術を学ぶ機会はなかなかないようなのです。
だから、技術をオープンにして競うことでさらに技術アップする。
そんな環境(イベント)を求めていたのですね。
同社がこのイベントを行うのは、業界改革に対する熱い思いがあるからです。
建築業界にとって、モノづくりに関心のある若手人材の育成が欠かせないと考えているのです。
社長が話していたのは、お客様の品質に対するこだわりが強くなってきて、職人に求められる技術も多種多様になってきているということ。
単に建築技術があるというだけではだめで、礼儀やマナー、環境・安全への気遣い、さらにはIT技術まで求められるようになってきています。
それに加えて、職人の仕事はもともと厳しいものです。
給与は後から付いてきますが、技術を身につけるまでは大変です。
通常は、ベテランの職人さんについて技術を学び、技術がついたら独立します。
弟子入りみたいなものですが、やはり早いうちに辞めてしまう子が結構が多いのが実情なのです。
今のままでは、職人のなり手がどんどん減ってしまう。
そんな危機感から同社では、何年も前から、職人を下請けとして集めるのではなく、自社の社員として採用するようになりました。
そして、今回、さらに踏み込んで、誇りを持って働ける環境、切磋琢磨して辞めずに頑張れる環境を作ろうとしているのです。
実は、この会社では新卒採用においても、今年から募集職種に職人としての仕事を加えました。
大卒の職人を採用しようとしているのです。
千葉キャリの原稿はこちら 。
大学には行ったけど、モノづくり好きなんだよな!
という若い人たちが、自信を持って、誇りを持って職人になるという仕組みを作ろうとしているのです。
すばらしい取り組みです。
千葉キャリも精いっぱい応援したいと思います。