学歴の耐えられない軽さ
先週に大学生の生態についての詳細なデータを知る機会があり、とても面白かったので、関連しそうないくつかの本をまとめ読みしてみました。
面白かったのは、海老原嗣生氏の「学歴の耐えられない軽さ」という本。
ちなみにこの海老原氏は、エンゼルバンクの主人公である海老原康生のモデルになった方です。
斬新な切り口で本音で就職について語っているので、非常にわかりやすいし共感する部分がたくさんありました。
この本の中で、単純に驚いたデータがあります。
それは、全私立大学での入学者の5割超が推薦・AO入試経由だということ。
国公立を交えた全大学でもその比率は4割を超えています。
大学受験勉強を知らない大学生が世の中にはこんなに多いのですね。
早稲田の政経ですら、一般入試での入学者が4割を切っているというのには本当に驚きました。
本著では、AO入試の基準の甘さや大学に実質無試験で入学することの危険性についても触れてあり、とても勉強になりました。
ちなみに、九州大学や一橋大学、つくば大学では、2010年よりAO入試は廃止となっているようです。
就職イベントや面接などで大学生の学力低下は肌身で感じていましたが、受験勉強をほとんどしていない学生がこんなに多いとは正直知りませんでした。
この事実を知ってから当社に面接に来る応募者に大学への入学経路をきいているのですが、確かにほとんどが推薦です。
今や、ある程度の学歴だから、受験戦争に打ち勝ってきたんだ!という評価は全くできないわけですね。
実は、中小企業の経営者は昔から学歴に弱いところがあります。
今でも六大学の出身者が応募してくると、「うちみたいな中小企業に六大学が来るなんてすごい時代になったね」と嬉しそうに話す経営者が多い。
先日も慶応の学生に内定を出していいかどうかで大騒ぎになった会社がありました(笑)
学歴で人を評価するつもりはなくても、いい大学を出ていると「おっ」と思うのも経営者の心理。
「そうは言っても、○○大学を出ているんだろ」というのは通用しなさそうです。
今まで以上に学歴アレルギーをなくす必要がありそうですね。
今さらながら、若者世代の育った環境について勉強する重要性を感じました。