採用基準の引き上げ
営業担当のBOSSです。
先日、ある警備会社に採用状況の確認に訪問してきました。
お付き合いを始めたのは、ちょうど1年前のこの時期です。
当時は年末に向け、約50人の大幅増員が必要ということで、様々な求人媒体を同時に利用し、人材の募集に必死になっていました。
採用のために使った広告宣伝費は過去に例がないほどだったそうで、それだけ景気も良かったということですね。
それから1年たった今、警備業界の景気はそれほど落ち込んでいないものの、同社の今年度の求人広告宣伝費はいまだゼロだそうです。
採用人数が減っていることもありますが、千葉キャリへの掲載と自社HPの募集のみでほぼ賄えているという状態です。
これにはさすがに驚きました。
同社では、この1年で、千葉キャリから6名採用したのですが、その内容を見ても環境の変化は明らかです。
1年を前半6か月と後半6か月で分けると、後半は前半の約1.5倍の応募者数があるにも関わらず、前半で5名採用、後半で1名採用となっています。
去年の初期の水準で採用していたら、倍くらいの人数は採っていたのではないかと採用担当者が話していましたから、採用基準が大幅に引き上げられたことがわかります。
実は、この採用基準の引き上げは同社に限ったことではありません。
この1年で多くの中小企業において、採用基準が高まっていることは確実です。
採用基準の一つとして適性検査の結果を参考にする会社も増えていますが、この適性検査においても、最低ラインを引き上げる傾向がありますね。
応募する側にとって難しいのは、この採用基準の引き上げが広告上ではなかなか読み取れないことです。
応募者を減らすために、あえて基準の高い原稿に修正することもありますが、多くの場合、求める人材像などはこれまでと同じ水準(標準)の原稿でありながら、選考の段階でより厳しく審査します。
理由はもちろん母集団を増やすため。
採用担当者の手間はかかりますが、母集団は多い方がいいですからね。
だから、応募者は、現在の環境では、求人広告に書いてある以上に選考基準は高いものだと想像する必要があります。
この想像力で大きな差がついてしまうのです。
現在の経済環境では、積極的な増員というよりも欠員補充的な意味合いの求人募集が多いので、職種にもよりますが、1件の求人に対して倍率は10倍を超えることが一般的です。
そのため、選考では絶対評価だけでなく、他の応募者との相対評価も加わります。
希望に沿った転職活動を行うためにも、ぜひ、その点を想定した上でエントリーシートの記入や履歴書・職務経歴書の作成をしてほしいと思いました。