働くとは
昨日の新入社員研修の中で、「働くとは」ということについて考えるセッションがありました。
これから長い社会人生活を送る上で、何のために働くのかというのは考えるべき大事なテーマです。
3つのグループに分かれてディスカッションし、それぞれ発表してもらったのですが、どのグループも最終的にはほとんど同じ答えになりました。
「自分やまわりの人間を幸せにするため」
間違った答えではないと思うのですが、今一つピンときません。
講師とも話していたのですが、今年の新卒の特徴として、「まわりの人」や「幸せ」という言葉をものすごく多く使うような気がします。
「まわりの人に喜ばれたい」、「まわりの人を幸せにしたい」
それはとても立派なことです。
でも、本当にそれが自分が働く理由や動機づけになるのでしょうか?
どこか、すべてを抽象化したり、オブラートに包む傾向があるようです。
何のために働くのか?と聞かれたら、もっと「自分」を出していいのではないでしょうか。
自分のために働くことができなければ、とてもまわりを幸せにするような仕事はできないような気がするのですが。
僕が新入社員のころ、何のために働いていたのかを考えてみると、「スポーツカーを買うため」だったように思います。
転職したころは、「人に認められるような大きな仕事をするため」だったかなあ。
「なぜ働くのか」という問いにこれだという正解はないと思います。
その人の位置するステージや価値観の変化によって、変わるものでしょうから。
しかし、「自分やまわりの人間を幸せにするため」ではきれいごとすぎて、どうしてもパワーを感じません。
もっと「自分の気持ち」にダイレクトに向き合ってほしいなあと感じました。
ゆとり教育世代は欲望が薄いとは聞きますが、それと関連性があるのかもしれませんね。
でも、本当に欲望が薄いのかは疑問です。
欲を出すことを押さえられているだけなのような気もします。
講師とそんなことを話しながら、彼らに「志」とか「意欲」を感じてもらいたいということで、孫正義氏が新入社員向けに講演した「孫正義LIVE2011」の一部を見てもらいました。
この講演はとても良いと思います。
僕はこれまで、孫氏をよく知りませんでしたが、ものすごい興味がわきました。
孫氏は19歳の時に人生50年計画をたて、それ以来一度も志を変えていないと言います。
志=事を為す
20代 名乗りを上げる
30代 軍資金を貯める
40代 ひと勝負する
50代 事業を完成させる
60代 次の世代に事業継承させる
情熱的に語る孫氏を見て、15人の新入社員はそれぞれに気づきを得たようです。
「まわりの人を幸せにする」ということがどれだけパワーがいることなのかを感じていてくれればなあと思います。
そして、そのパワーの源はやっぱり自分への愛情だということを。
初めからまわりの人の幸せを考えることはとても難しい。自分が満たされて、初めてまわりの人が見えるものだと思います。
もっと自分に正直に、まわりの目を気にせず、わがままになっていい。
もっととがっていい。
そんなことを感じました。
それと同時に、自分自身も最近、小さくまとまってきているなあと感じました。
新入社員たちと話すことで、自分自身が刺激を受け、パワーをもらった気がします。
感謝ですね。