職業訓練よりもサービス精神の習得が大事?!
先日、SSを10数店舗運営する会社の専務とお会いしました。
専務と話をしていて、サービス業の面白さ、サービスの深さを改めて感じました。
SSのようなサービス業においては、店長によって全く利益率が変わります。
場合によっては、月に100万円以上も粗利に差が出てしまうと聞きました。
飲食や小売でも同じく、店長次第で売上が1.5倍、2倍と大きく変動すると言います。
その差は何ですか?と聞いたところ、色々あるけれども、大きな影響を持つのは、「お客様がいない時の態度や姿勢」だと聞き、驚きました。
当たり前ですが、売上は、客単価×客数です。
この両方を上げる工夫が必要なのですが、SSにおいて客数を増やすには、スタッフにはどんな工夫ができるのだろうと前から疑問に思っていたのです。
飲食店であれば、店の近所で元気よく呼び込みをすることで客数を増やすことは想像できるのですが。
来店客のいない時の姿勢や態度によって、来店客数に大きな変動があるそうなのです。
お客様のいない時にも、SSの前を通る車の中から意外と見られているもの。
確かに、SSの店舗の中で、スタッフが煙草を吸って待っていたら、入りたいとは思いませんし、一方、全スタッフがきびきびと動き、活きのいい元気な笑顔をしていたら、今回は立ち寄らなくても今度このスタンドに入ってみようという思いにつながるのです。
給油機や釣銭機などの機械類は掃除しすぎということはありません。
設備がぴかぴかに磨かれ、ゴミ一つ落ちていないスタンドをお客様がいない時にも維持する。
この姿勢を貫けるかどうかによって、来店客数に驚くほどの違いが出るそうなのです。
この話には唸りました。
うまく言えませんが、一種の反響営業のような感覚ですね。
守りながら、実はそれが大きな攻撃(営業)になっているわけです。
もちろん、来店客数には、店頭装飾や値段の安さなども大きな影響を与えますが、「人」の力が一番大きいという話は、何かうれしく思いました。
これが本当の仕事力ですよね。
失業率が高まり、職業訓練の充実についての話題が多くでますが、本当に必要なのは、技術や資格よりも、この働く姿勢やサービス業の本質を理解することなのではないでしょうか?
お客様のいない時にも全く手を抜かないサービス精神を身につけることができれば、お客様からの感謝の言葉が倍増し、売上が上がり、利益がでて、給与に反映され、新たな事業展開につながり、新たなポジションができ、新たな役割が生まれる。
もちろん日本経済自体が成熟しているので、全社がこのようになるわけではありませんが、こんな好循環につながる店舗や会社を作ることはできそうです。
そんな人材は、多くのサービス業で重宝されます。
サービス精神を持った人材を育成することこそが、就職率を上げ、気持ちいい社会をつくるのに役立つのではないか。
専務の話を聞いていて、そんなことを感じました。