問題意識を持って行動する
ベーカリーショップを十数店舗展開する社長に「同社で活躍している人材像」を聞いてきました。
そこで出てきた答えは、「問題意識を持って行動できる人」。
ベーカリーショップは競争が激しく、企業が成長し生き残っていくために、一番必要なのは商品企画力だそうです。
時代や流行に合わせて、常に新しい商品を生み出す力が重要なのですね。
その商品開発力に通じるのが「問題意識」だというのです。
この社長は、頻繁にデパ地下に視察に出掛けています。
何が流行っているのか、時代の流れを感じるためですね。
社員にも同じ感覚を身につけさせるために、視察させるのだそうですが、同じ行動をしてもそこで気づきを得る人と得られない人に大きく分かれるのだそうです。
その差が、自分自身で問題意識を持てるかどうかなのです。
「売り方にヒントはないか?」
「商品企画に役立つヒントはないか?」
こういう視点ですね。
この視点が持てない人は、ただ単に見て回るだけなので、ほとんど気づきがないそうです。
中小企業の経営者の求める人材像としてとても深い話です。
自分自身が今の仕事に問題意識を持って取り組めているかどうか?
安易に転職活動を行う前に、このことを見つめることが大事です。
現在の職場で問題意識を持って行動できていない人は次の職場に行っても同じです。
求人サイトなどではよく「自分の市場価値」という言葉が使われますが、市場価値があるかどうかは、こういった点で評価されるわけですね。
また、同社が社員の資質として求めるものには3つあるとも話していました。
「素直さ」
「プラス思考」
「勉強好き」
この中で、「勉強好き」というのになるほどなと思いました。
仕事に興味を持ち、必死になって勉強する。
それにより仕事を覚えて理解する。
仕事を理解すると工夫ができるようになる。
そして初めて仕事が好きになる。
というわけです。
何でもパンの製造で最低限の技術を身につけるまでに3年かかるそうです。
この3年というのも、最近になって劇的に短縮させた上での話。
以前は7年をベースに教育していたのが、ある時、高校の進路指導の先生に、今の若者は昔と違い我慢が出来なくなっているから、それではよい採用はできないと指摘されたそうです。
それをきっかけに、3年で技術を学ぶ仕組みを作りあげたようですね。
実際に3年経つと、先ほどの「工夫する」という域に達しますので、仕事の面白さに気づく。
そうすると滅多なことがないと辞めないそうです。
この3年が重要ですよね。
石の上にも3年といいますが、仕事の面白さに気づいて、仕事を好きになる瞬間。
この域に達せずに会社を辞める若者が多いのはとても残念です。
会社側は、少しでも早く仕事の面白さに気づくための環境づくりに精を出さなければなりませんが、働く側も苦労の先の仕事の面白さを知るまではやりぬくという姿勢が大事です。
特に就職活動をしている学生には、伝えておきたい話だと思いました。