採用活動への経営リソースの投入
企業の採用力を上げる要素の一つとして「経営リソースの投入」があると思います。
経営リソースとは、言わずとしれた「ひと」「もの」「かね」。
一番イメージがつきやすいのは、「かね」の投入ではないでしょうか。
求人メディアへの広告投資、人材紹介会社への成功報酬フィーもそうですし、
最近では、初任給など給与UPに「かね」を投入するケースも増えています。
ただ、中小企業ではなかなか一気に予算を増やすことは難しいですし、
「かね」を投入したからうまくいくといった簡単なものでもありません。
中小企業の採用活動の現場を見ていて感じるのは、経営リソースの中でも、
「ひと」をどうやって採用活動に投入するかがとても重要だということです。
ほとんどの中小企業に人事部はないわけで、採用活動にどれだけ「ひと」を
投入するかはトップの判断次第。
・会社説明会に社員を参加させる
・求人メディアの取材にエースを登場させる
・リファラル採用に多くの社員を協力させる
・採用HPのブログ作成に社員を参加させる
などなど、社員の採用活動への関わらせ方は様々です。
採用活動が企業成長にとっていかに重要であるかを伝え、多くの社員が強い意志を
持って、採用活動に関わる風土づくりが大事ですね。
プラス、もう一つ大事なのは、経営トップが採用活動に絡むことだと感じています。
経営者や部門のトップが採用活動に積極的に関わることで、社員の士気も上がりますし、
採用効果にもつながります。
以前に、某IT企業の人事マネージャーが、自らダイレクト・リクルーティングを行い、
自社に興味を持ってもらうために、都内の喫茶店で朝7時からスカウト候補者に自社の
PRを行っていると聞きました。
同社がダイレクト・リクルーティングを始めた理由は、求人メディアや人材紹介会社の
利用だと、同社より知名度・実績のあるIT企業を落ちた人しか選考できないため。
競合他社に受かるレベルの人材を先に捕まえたくてスタートしたそうです。
有名な会社でしたが、採用には企業レベルに応じて激しい競争があるのだなあと
感心したのを覚えています。
そんな話を聞くと、知名度も規模も劣っている中小企業のトップが人材会社と契約をして、
後は現場にお任せ、ではいい人材が集まるわけがありませんね。
弊社としては、キーマンをいかに採用活動に関わらせるかが採用支援成功のポイントとなります。
キーマンをしっかり押さえる営業活動をしていかないとな。
そのために営業担当者は日々、勉強し、採用活動を自分ごととして捉えられるようにならねば。
リクルートが行ったアンケート「中途採用の課題」を見ていて、そんなことを感じました。
ちなみに、アンケートでは、採用業務に経営者、部門責任者が関わっている会社ほど、
結果が出ていることが現れていますね。
人事担当者に対するアンケートなので、ちょっと規模が大きいかもしれませんが、
参考となる資料ですね。