最終面接が5時間???
先日、あるコンサルティング会社のコンサルタントに会いました。
コンサルタントと言ってもまだ営業職なのでしょうが。
大学院卒3年目の彼女はとても優秀。
コンサルティング会社の社員らしく、論理的思考力、ヒアリング能力、提案力などが極めて高く感心するほど。
彼女の話を聞いていて、自社の組織に足りないもの、私に足りないもの、自社の社員に足りないものが明確に見えてきて、とても勉強になりました。
そんな中、一番勉強になったのはこの会社の採用活動へのこだわり。
彼女に一日の勤務時間を聞いてみたところ、コンサルティング会社らしく(?)、朝の7時に出社し、23時に退社するというのが平均的な日常だということでした。
私の前職はそれ以上にむごかったですが、当時を思い出し、「離職率高いでしょ?」と聞いたのです。
すると驚いたことに、ほとんど辞めないと。
「なぜ?」と聞いたところ、「採用活動に徹底して力を入れているからです」と即答。
もちろんすべてを教えてくれませんでしたが、徹底の仕方の一例として最終面接の時間の話をしてくれました。
新卒採用の最終面接は3時間、中途採用では5時間だそうです。
何回かに分けて5時間なのではなく、1回で5時間の面接。
ぶったまげますね。
もちろん5時間の間、求職者に質問し続けるというわけにはいきません。
長時間の面接時間を取っている理由は、会社の考え方や価値観を徹底的に伝え、理解してもらうこと。
すべてを受け入れた上で入社したいと思う人しか採らないということなのです。
同社には、会社の価値観を理解するために、社内の様々な言葉を定義付けしたカードがあります。
確か、武蔵野でもそんなことをしていると聞いたことがあります。
小山氏の講演を聞いて、ついつい「仕事ができる人の心得」という本を買った覚えが。。。
最終面接では、そのカードを読んできてもらい、求職者から質問をさせるそうです。
質問に応える、またそこから関連の話をすることで、会社の価値観を徹底的に理解してもらうわけですね。
数年前に、この最終面接を行うようになってから離職者が出なくなったそうなのでベンチマークの価値ありです。
最終面接5時間と聞くとさすがにひくなあ。
すごいこだわりです。
そこは真似できないけど、価値観を共有するために言葉の定義付けをするというのは必要かもと思いました。
ちなみにこの会社の今年の新卒採用は30人。
全部を社長がやるわけではないんだろうけど、最終面接だけで90時間。
経営者の一番の仕事は採用活動というのをまさに実践しているんですね。