「社員の仲がいい」がポイント
先日、貴金属の販売を行っている会社を訪問しました。
この会社は10年ほど前から新卒採用に取り組んでいます。
定期的に中途社員も採用しており、景気が落ち込んでいるにも関わらず安定した経営を続けています。
新卒の定着率も高いので、取締役に何が要因なのか聞いてみました。
特にこれといったことを行っているわけではないのですが、とにかく「社員の仲がいい」と言うんです。
実は、「社員の仲がいい」というのは、社員の定着がいい会社、特に新卒採用を何年も続けていて活気のある会社でよく聞く社風なのです。
少し前までは、社風や社内の雰囲気を聞いた時に出てくる答えは「アットホーム」や「和気あいあい」という言葉が多かったのですが、社内のコミュニケーションや人間関係が変わってきたのでしょうか?
先日訪問した成長中のリフォーム会社でも、取材をした2年目の社員も5年目の社員も口をそろえて「社員の仲がとにかくいいんです!」と答えていました。
「アットホーム」や「和気あいあい」というと、家族のつながりを想像しますが、「仲が良い」と聞くと、大学のサークル的なつながを感じます。
仕事に加えて、仕事外でのつながりが密なことが、社員の定着につながっているようです。
そこで、今年の春に森ビルが行った意識調査を思い出しました。
20代社員の8割以上が社内でのインフォーマルコミュニケーションの重要性を感じているという結果が出ていました。
※インフォーマルコミュニケーションとは、スポーツ大会、社員旅行、飲み会、サークル活動、ボランティア活動など、仕事以外でのちょっとしたコミュニケーションです。
調査結果はこちら。
「社員の仲がいい」ことへの高評価はこの結果ともリンクしているような気がします。
この取締役も先週末も社員とゴルフに行ってきたと話していました。
まさにインフォーマルコミュニケーションがあるんですね。
経営陣と社員の距離の近さが伺えます。
そのゴルフの途中で、ある中途入社の社員が、「なぜうちの会社に入ってくる新卒はあんなにモチベーションが高いのでしょう?負けてしまいそうです(笑)」と話していたそうです。
新卒採用が中堅社員に刺激を与え、社内が活性化していくよい事例を聞くことができ、非常にうれしい気持ちになりました。