ますます必要となる先輩力、上司力
昨日のyahooニュースに出ていたので、詳しい資料を読んでみました。
JTBグループのコンサルティング会社、ジェイティービーモチベーションズが行った若手社員の成長に関する調査。
入社1~3年目の社員309人と、入社1~3年目の部下を持つ社員309人へのアンケート調査です。
結果を見ると、上司と部下で感じ方や考え方が違っていて面白い。
上司と部下で共通して感じていてのは、
「1年前と比べて、期待したほど成長していない」と思う項目について、
どちらも1位は「新しいアイディアや工夫を生み出す力」でした。
創意工夫する力に両社とも不足感を感じているんですね。
景気の低迷で新しく創るということが求められている証拠だと思います。
若手の2位は「仕事のおもしろさを感じる力」という項目でしたが、何となくわかります。
新しいものを生み出すことを求められ、それが実現できない。
↓
仕事が面白くなくなる
という構図なのかもしれません。
昨日の夜、「プロフェッショナル仕事の流儀」で生命科学者の上田先生が新しいものを生み出すことに対するプレッシャーから、一時期、研究の楽しさを見失っていたという話がありましたが、これと似ているのかなあと感じました。
もちろん、ゲストは世界的な研究者なので、プレッシャーのレベルは違うのでしょうが。。。
逆に差があって面白かったのは、「成長したい点、してほしい点」という項目。
上司の希望は、
1位「困難を克服する力」で40.5%
一方、この項目を選択した若手は、23.0%に過ぎません。
若手の1位は「新しいアイデアや工夫を生み出す力」です。
若手が、仕事でのブレイクスルーを実現するスキルアップに関心がある一方で、上司は部下の精神的な強さを求めている。
このギャップが世代の違いともつながっているようで、考えさせられました。
で、採用する企業として参考にすべきなのは、
「今後さらに成長していきたいと思っている」
「今の会社で働き続けたいと思っている」
という項目です・
「さらに成長していきたい」の項目に「あてはまる」、「ややあてはまる」と答えたのは
1年目94.2%⇒2年目81.6%⇒3年目84.5%
「今の会社で働き続けたいと思っている」の項目に「あてはまる」、「ややあてはまる」と答えたのは
1年目68.9%⇒2年目47.6%⇒3年目40.8%
さらに、「今の仕事に喜びを感じている」の項目に「あてはまる」、「ややあてはまる」と答えたのは
1年目57.2%⇒2年目36.9%⇒3年目28.2%
成長意欲やモチベーション、仕事満足度は入社2,3年目で低下する傾向が顕著に出ています。
職場の人間関係、コミュニケーションなどに注意を払い、フォローアップ体制を取ることが大切ですね。
成長意欲が低下している中で、関連する項目として
「成長を妨げていると思うこと」に対する回答では、
若手は、
1位 上司に相談しにくいこと
2位 自身に「成長しよう」という意識が薄いこと
3位 職場に相談できる人がいないこと
上司は
1位 自身に「成長しよう」という意識が薄いこと
2位 適切な目標や業務が与えられていないこと
3位 職場に従業員を成長させようという風土がないこと
明らかにかみ合っていないですね。
「相談」ができない環境に悩んでいる若者が多いのです。
これは、上司や先輩が気を使うことで変えられる部分です。
千葉キャリでも、「先輩力養成講座」という研修を実施していますが、まさに先輩力、上司力の向上が企業の成長における大きなテーマですね。
大卒の新卒の3割が入社3年以内に辞めてしまうという現実の裏側には、こんな背景があったのです。
大変貴重な調査だと思いました。