先日訪問したある企業では、1名採用するのに数十万円のコストがかかると言います。
なぜそんなにかかるのかと社長に聞いたところ、採用前に必ず、雇用（採用）調査を入れているというのです。

僕はよく知らなかったのですが、個人信用、人物、素行調査など、採用に特化した調査サービスというのがあるんですね。
なぜそこまでやるのかを聞いたところ、「痛い目にあわないとわからないだろうな」と言われました。

この会社は不動産業界の会社なのですが、これまでに、3度ほど、社員に横領されているそうで、一番大きな横領で3000万円の被害だったと。

住宅業界以外では、車の業界、飲食業界などサービス業で比較的多く聞く話ですが、横領されてもすぐには分からないもののようです。
営業担当者がお客様から直接お金を受け取り、逃げてしまうんですね。
気づいた時には社員はいない。
お客様には迷惑をかけられないから、会社で補てんする。
金銭的にも精神的にも大きな負担です。

この社員は捕まったそうなのですが、お金の回収ができなかったようです。
そのため、それ以降は、採用の際には身元保証人も取るようになったと。

特に同業界で何社も転職をしている人は要注意なのだそうです。
恐い話です。

結果、今の社員は全員、採用調査でOKが出た人、きちんと保証人がいる人だけとのこと。
前の会社でもしっかりと真面目に働き、周りとの人間関係も良好。
少なくともこの条件を満たしていないと採用には至りません。
社長が面接でいいなと思っても、採用調査で落ちることも少なくないそうです。

だから社長が言っていました。
「うちに今いる社員はみんなエリートなんですよ」と。

採用にはいろんなこだわり方があることを知りました。