マクドナルドが会社説明会を廃止
今日の日経新聞に「マクドナルドが会社説明会を廃止した」との記事が出ていました。
日本マクドナルドでは、2012年の新卒採用から会社説明会を廃止し、インターンシップ参加者から選考する方式に一本化するそうです。
3日間のインターンシップで学生の資質をじっくり見極め、学生にも会社への理解を深めてもらうというのがその狙いです。
現在の就職活動は、就職サイトから企業説明会に応募し、選考に進むというのが一般的ですが、最近はその弊害も出てきています。
中小企業においても、就職サイトの利用は大きな母集団を形成するという点で大きなメリットがありますが、最近では、就職難と重なり、必要以上にエントリーだけが増えてしまうという状況が生じています。
さらには、
会社説明会の予約エントリーが一杯になり、申し込みを打ち切ったにも関わらず、当日は申込者の半分しか来なかった
とか
募集職種を複数職種にしていたら、事務職希望の女子学生が全体の8割を占めてしまった
などと、油断をしてとんでもないことになってしまった話もよく聞きます。
就職活動における「エントリー」という行為が非常に軽いんですね。
事前にメールだけでなく電話で参加確認をしたり、職種ごとに説明会を開催したりなどと各社様々な工夫をしていますが、人事部機能の弱い中小企業にとっては工数が増え大変です。
そんな現在の状況を考えるとインターンシップ重視と言うのは理にかなっているように思います。
マクドナルドの流れを受けて、採用の入り口をインターンに一本化する企業は増えるのではないでしょうか。
ちなみにマクドナルドでは、インターンシップは厳しい研修になると事前に告知した結果、エントリー数が、昨年の15000人から5000人へと1/3になったそうです。
「エントリー」がいかに軽かったかがよくわかります。
また、このインターンシップでは、「日本マクドナルドへのビジネス提案」が最終日のプレゼンとして指定されているようですが、入社したいと思う会社において、入社後をイメージして必死に考えさせるというのは、学生の就業意欲を高めたり、キャリについて考えさせる上でもとてもよい試みだと思います。
ハードルを上げると応募者の数は減りますが、質は高まりますし、1人当たりに選考にかける時間も増えます。
今回の取組みによって優秀な人材が採用できるようになるのか、離職率は下がるのか、など、結果をぜひ知りたいですね。
インターンシップのプログラム策定や母集団の形成など、中小企業にとっては大変な手間暇ですが、優秀な人材を採用するための創意工夫が求められる時代になってきました。