マネージャーには叱る力が求められる
先週、2日間に渡り営業マネージャー研修を行いました。
全3回(2日×3回)のファイナル研修です。
この研修は、「研修で学んだ内容を日常業務で実践してスキルアップを図る」というテーマだったにも関わらず、残念ながら参加したマネージャーの多くが前回の研修の後、満足のいく実践活動を行えていませんでした。
そのため、研修の中で行ったディスカッションやグループ発表が表面的でとても質が高いとは言えない状況になってしまいました。
研修サポートをしていた僕もディスカッションや発表を見ていて残念に思いました。
と同時に、会社にお金を出してもらい、大きな期待を背負って参加しているにも関わらず、必死になりきれないマネージャーの姿に、もやもやとした怒りすら感じました。
おそらく講師も同じ気持ちだったはず。
なぜなら、同じテーマで行った2日前の営業研修の参加者の方が、もっと真剣にディスカッションやグループ発表に取り組んでいたからです。
2日前の研修には、今回参加したマネージャーの部下や後輩が参加していましたが、彼らの方がはるかに研修に参加する機会を与えていただいているという責任感を感じていました。
そんな状況だったので、僕は、実践活動を振り返った発表の途中で講師が怒りを爆発させると思っていました。
講師の厳しい性格上、怠慢を許すはずがありません。
厳しい叱責が飛ぶのを予想していました。
しかし、講師は一向に叱りません。
緊張感のない発表をするグループもいる中で、一緒に笑って発表を聞いています。
僕には表情の奥にある怒りが見えるのですが、感情を抑えています。
全員の発表後、「今回の発表は非常にレベルが低く残念だった」と伝え、メンバーに自分の発表を自分で振り返ってみるように求めました。
そして、休憩後に講師から解説をすることに。
その休憩時間中に、講師になぜ叱らなかったのか聞いてみました。
すると、「今叱るとやる気がなくなってしまい、明日まで続く研修がそれこそ本当に無駄なものになってしまいます。これから徐々に牙をむくんですよ」と。
その時に、講師の場を読む力と叱り方のスキルというものを改めて学んだ気がします。
いつどのように叱るかということがマネージメントのコツでもあります。
目の前の出来事に反応し、感情を荒げるだけでは、叱った効果も半減です。
本人が自分の落ち度に気づき、反省し、改善させるためにどのタイミングでどのように叱るか。
常に先を見据えてマネジメントすることが大事なんですね。
休憩後に、廊下にまで響き渡る迫力のある声で、大きな雷が落ちました。
参加したマネージャーたちの緊張度は一気にマックスに。
その後の1日半、それまでとは打って変わった緊張感の中で、研修に取り組むマネージャーたちの姿が印象的でした。
この発表を皮切りに、皆この2日間で、おそらく会社では経験したことのないくらい叱られていましたが、それでもアンケートでは講師の評価はオール5。
さすが、各社のマネージャー陣です。
愛情を持った叱責を受け入れ、自分を見直す力を持っています。
僕も叱り方をもっと学ばないといけないなあと感じました。