モノが足りない方が過剰に使う
先日、神田昌典氏と小飼弾氏のインタビュー(去年の12月収録)を聞いたのですが、震災後の状況と妙にかぶったので今回はそれをネタに。
インタビューのテーマはベーシックインカムをベースにした社会ビジョンだったのですが、その中で、モノが足りないところにいる方が過剰に使ってしまうという話がありました。
例として話していたのが水の消費量について。
なるほどと思ったのですが、
「アメリカで一番水を使っている都市はどこか?」
というと実は、ラスベガスなんだそうです。
砂漠のど真ん中にある町が一番水を一杯使っているんですね。
必要な時にいくらでも手に入るというのが分かれば、貯めておくというインセンティブがなくなる。
貯めておく必要がないと感じると、かえって逆に大事に使うわけです。
ちなみに日本人の水消費量はアメリカ人の半分くらいだそうです。
海外と違って日本は水がただという風土があるので、ジャブジャブ使ってしまいそうなものですが、実は逆に使わない。
(もったいないという考えもあるとは思いますが)
という話でした。
これをふと思い出し、首都圏のガソリンはまさにそうなのかもしれないと。
いくらでも手に入ることが分かれば、並ばない。
そう考えると「買いだめをしないでください」というよりも「十分にものが足りていることを伝える」方が心理的には早く解決するのかもしれませんね。
まあ、ロジスティックの問題も絡んでくるので、十分に足りていることを伝えることにも工夫が要りそうですが。
人間の心理的にどうやればパニックが防げるか。
奥が深そうですが、首都圏のコンビニにものがないことを襟を立てた政治家が伝える報道よりも、国民が買いだめをしなくなるような意図を含んだ報道をマスコミには期待したいと思います。
今週からガソリンの供給量が十分にあると報道された途端にガソリンスタンドの列が消えたのを見て、ふとこのインタビューを思いだしました。