今どきの大学生(社会貢献、エコ)
先日、ある建設会社の会社説明会を見学してきました。
50人の予約が最終的には30人の参加に。
約6割の参加率ですが、最近では平均的な数字です。
2日前から前日にかけて1割がキャンセル。
前日から当日の朝にかけて1割がキャンセル。
当日2割がドタキャン。
で、6割の参加率というのが一般的な流れになっています。
説明会の最後に質疑応答があるのですが、ここでも昨日の「今どきの大学生の実態」とリンクするようなありがちな質問がいくつも出ていました。
昨日のリサーチ会社では、今の大学生が育った社会的背景は、
「地球環境改善に対する取り組みが商業的に使われるようになった」
ことが一つの大きな特徴だと分析していましたが、ここから醸成される学生の就職観として、
「社会貢献意識や愛他意識がとても強い」
ということがあります。
以前にブログで書いた記憶がありますが、新入社員研修で、「何のために働くのか」というテーマでディスカッションをした時に、多くの参加者が「まわりの人に喜ばれたい」、「まわりの人を幸せにしたい」と話していました。
そもそも「まわりの人」が誰なのかと言うこと自体定義されていないことが多かったのですが、就職観としては極めてこの傾向が強いようです。
これと同じように社会貢献やエコに関する関心も高いのです。
なので、説明会の質疑応答では、
「御社はどのように社会貢献をしていますか?」とか
「エコに対する取り組みはどのようにしていますか?」
という質問がよくでます。
この説明会でも「バリアフリーへの取り組みは行わないんでしょうか?」
という質問が出ていました。
会社の事業説明では、全くそんなことには触れていないのですが、
建設⇒社会貢献⇒高齢化対策⇒バリアフリー
という連想になるのだと思います。
実は、ここが採用活動においてとても難しいところです。
企業の採用広告においては、「社会貢献」や「エコ」と言う言葉を出すかどうかをすごく迷うことがあります。
「社会貢献」や「環境問題への取り組み」を前面に出すと、反応はいいのですが、求める人材像と違う学生が集まってしまうのです。
現在行っている事業分野において、入社後に何ができるかを真剣に考えるべきなのに、それはそっちのけで、社会貢献とかエコに関する仕事をしたいと考えてしまうんですね。
働くということに対する理解、企業活動、経済活動に対する理解が薄いのが背景だと思いますが、それが上記のような質問になってしまうのです。
もちろん、社会貢献やエコに関する新たな事業分野で活躍しようとしてくれるのはうれしいものですが、その前に、もっと目の前の会社や仕事と向き合う必要があるのではないかと感じますね。
企業が欲しいのは、まずは今の事業において成果を上げてくれる人のはずですから。
(※もちろん、社会貢献やエコを否定するわけではありません)
そんなことを考え、「今どきの大学生だなあ」とを感じながら、後ろで見ていました。