会社を選ぶのではなく、職を選ぶ
先日、スーパーを数店舗運営する会社の幹部の方とお会いしました。
この会社、1年前はとても好調で、今後の積極的な店舗展開などについて話を伺っていたのですが、この1年で経営環境が激変していました。
ある店舗の近くには、強力な競合店ができ、デフレの影響で利益率は下がり、仕入先の見直しまで検討しています。
話を聞いていて、スーパーの経営の難しさを感じました。
スーパーでは、競合店ができると、下手をすると売上が3割も4割も落ちるそうです。
コンビニでも競合店ができることで売上は落ちますが、ここまではひどくないといいます。
スーパーの商圏は半径2、3キロほどと聞きますから、その商圏のお客様の流れが一気に変わるわけですね。
粗利の高い商売ではないですから、1年間コツコツと積み上げてきた利益が、競合店ができた後のほんの数か月で消えてしまうということもありえるわけです。
まさにつぶし合い、戦争だとその方は話していましたが、競争のすさまじさを感じました。
企業間の競争の激化は、スーパー業界に限った事ではありません。
幹部として経営に携わるのならまだしも、一般の社員として就職しようとした時に、どの会社が勝ち、どの会社が負けるのかなんて、なかなか外からはわかりません。
そう考えると、就職活動においては、会社を選ぶのではなく、職を選ぶという考え方が大切になってきます。
スーパーであれば、簡単に言うと、その店舗運営になくてはならない存在となる。
それによって、たとえ経営者が変わっても、会社が買収されても、その店が地域に必要とされている限り、職を失うことはありませんし、仮にお店がなくなったとしても、その力は別の店舗でも活かされるわけです。
初めて社会に出る学生にはなかなか理解できないことかもしれませんが、目の前の環境の中で、どれだけ改善活動を行い、成果を出すか。
それを愚直にやり続けることが、一番大切なことなんですね。
今、安定している企業、今、成長している企業だからと言って、そこにぶら下がれるような時代ではありません。
業界で勝ち残る会社を探すことよりも、自分の選んだ会社で何を成すか。
就職活動の本質はそこにあると思います。