何をするべきか、何をしたいのか
昨日に引き続き、カンブリア宮殿ネタ。
地雷除去機の開発を行う山梨日立建機の雨宮社長がゲストでした。
雨宮社長が地雷撲滅に挑むことになったきっかけは、16年目にカンボジアを訪問した時のこと。
ビジネスのネタを探し行ったカンボジアで、さながら戦後の日本のような戦争の跡地を足や手を失った人が町を行きかっている姿をみて、「ビジネスだけをやってきた自分は何だったのだろう」と自分を見つめなおしたそうです。
そんな時、「あなたは日本人でしょ。私たちカンボジアを助けてください。」と片足の老婆に言われた。
この一言が地雷撲滅へのスタートだったと。
もともと、販社である当社が世界屈指のメーカーに変革していったわけですが、根底にはものづくりへの情熱があります。
雨宮社長はクレーン車の整備から社会人生活をスタートしています。
機械をいじりたいけど、入社して数年はなかなかいじらせてもらえません。
その時の「早くいじりたい」という思いが、情熱をどんどん大きくしていったのだと思います。
スポーツでも同じですが、なかなかボールを使った練習をさせてもらえない、なかなか試合形式の練習をさせてもらえない、そんな抑圧も情熱を掻き立てる一つの要素ですね。
じれったさの中で、我慢して今やれることを精一杯やっている人は、そこから解放されたときに大きなパワーを発揮します。
雨宮社長のパワーの源にこの「我慢」があるような気がしました。
世界7カ国に約70台の地雷除去機を販売し、地雷被害国からとても高い評価を受けている同社ですが、地雷除去では全く利益は出ていないそうです。
先行投資の開発費を補てんするには、10年以上かかるような話でした。
それでも、地雷除去機の開発により、全国から優秀な人材が集まるようになったそうです。
事業に夢を感じて人が集まるわけです。
働いている社員にとっては、地雷撲滅に貢献しているという自負と誇りが生まれる。
それが、地雷除去機の開発に携わるようになっての一番の成果なのかもしれません。
そんな雨宮社長の言葉で一番響いたのは、
「何をするべきか」と「何をしたいのか」をわかっている人が強いという言葉。
同社は、本業で利益を上げ、その利益によって、夢のある事業に取り組んでいます。
本業での利益がなければ、地雷除去機の開発は続けられません。
今するべきことをしっかりやることで、やりたいことに取り組める。
これも「深イイ」話だなと思いました。
先ほどの「我慢」というか「分別」が根底にあるのかもしれませんね。
「働く」ということを考える上で、とても大事なポイントです。