先輩力養成講座
先週末に、2日間の日程で、部下・後輩に対するOJTスキルを高めるための「先輩力養成講座」というオープン型の研修を行いました。
参加者は9名。
入社3年目の20代前半の社員もいれば、入社20年を越える大ベテランもいましたが、みなさん一様に問題意識が高く、とても充実した研修となりました。
この研修で重点的に行ったのは、
・先輩としての役割の理解
・自分の先輩力(リーダーシップ特性)の分析
・部下、後輩との個人面談トレーニング
です。
各社ともこの4月から新入社員を迎え入れるわけですが、本格的な採用は初めて。
大学を卒業したばかりの新人君にどのように接するべきなのか、不安も多く抱えていましたが、今回の研修で、かなり払しょくされたのではないでしょうか。
千葉キャリ研修の講師「てらさん」の研修の特徴は、ディスカッションとロールプレイングが主体なこと。
もちろんレクチャーもしっかり行いますが、できる限り自分たちで考え、実践し、日頃の仕事の中で活きる力を身につけて帰ってもらいます。
そんな中でも、今回のロールプレイは面白かった。
初日に行ったロールプレイの設定は、
春に配属されてきた新人クンが近頃元気がない。
飲みに誘ったら「ウチの会社では、自分のやりたい事ができそうにない、仕事を辞めたい」という悩みを打ち明けられた。
さて、どんなアドバイスをしますか?
というもの。
皆さんの会社でも十分にあり得る話です。
今どきの学生の多くは「やりたい仕事ができること」という志望動機が多いですから。
春から新人を迎え入れるにあたって、皆が上司、先輩になるわけですが、こういうシチュエーションに直面するというイメージまでは湧いていなかったようです。
数か月後には現実に生じる可能性のある内容です。
何をどうやって話せばいいか必死で考えていました。
新人の気持ちを汲もうと、「そうだよな、やりたいことできないよな」と同調してしまう人もいれば(笑)
やりたいことを聞きだしながらも、「3年は続けないと分からないものだ!」と熱いメッセージを伝える人もいました。
初めは相当苦労していたものの、2日目に入り、何度も練習を繰り返しているうちに、かなりコツがつかめてきたようです。
後輩との会話の中で、しっかり話を聞き、真意を探り、自分の体験談を含めて参考になる話ができるようになってきました。
新人との対話の中で大切なのは(新人に限りませんが)、答えは誰が持っているのかということを理解しておくこと。
もちろん答えは新人が持っています。
その答えを引き出してあげるのが、上司・先輩の役目。
一方的に答えを押し付けても、納得は得られないのです。
そのための対話スキルを学び、実践します。このレクチャーと実践の繰り返しによって、対話スキルが伸びるのです。
現実に起きうるシチュエーションでのロールプレイはとてもためになったことと思います。
また、自分の先輩力の分析も多いに役だったようです。
性格分析などは行ったことがあるでしょうが、リーダーとして必要な力を持っているかどうかを自己評価するのは、ほとんどの人が初体験でした。
4つのカテゴリーに分けて先輩力を分析し、強みと弱みが明らかにされます。
アンケートでもこのセッションの評価が非常に高かったですが、何を強化し、何を改善していくべきなのか、自己成長のための方向性が見えたことは大きな気づきとなりました。
スキル面で学ぶことも多かった今回の研修ですが、参加した全メンバーが一番共感していたのは意識面のように思います。
研修の中で、講師から熱いメッセージが繰り返し伝えられましたが、中でも「新人の1年目はとても重要で、上司や先輩によってその1年の価値が大きく変わる」という言葉にははっとさせられていました。
自分が新人のころを思い出し、新人の立場に立って考え、行動することがいかに大事なのか。
新人の上司・先輩になる責任、役割の重さを感じていました。
自分の立場に立って真剣に向き合ってくれる先輩。
皆がそんな先輩に育ってくれると嬉しいなあと強く思いました。
終了後のアンケートでは、全員が満足度満点と非常に充実した2日間でした。