協調性
先日訪問したある専門商社で聞いて共感した話です。
その会社では、人事評価の内訳が成績が4割、礼節が6割とのことで、営業会社にも関わらず、礼節を評価基準として重くとらえていました。
礼節を大事にするのは当たり前ですが、人事考課の6割とは結構比重が大きいですね。
礼節と言うとビジネスマナーはもちろんですが、その専務の話によると「協調性」も礼節の一つとして捉えているとのこと。
「協調性」の意味をネットで調べてみると、
異なった環境や立場に存する複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質。特に秋田県人は高いとされている。
とありました。
余談ですが、東北出身者の評価が高いのは、多くの企業から聞く話です。
これは、僕の理解していた意味と若干違い、気づきがありました。
協調性と言うと、周りと合わせられるかどうかという、どちらかと言うと受動的な意味で捉えていたのですが、能動的な意味も大きく持っているのですね。
この会社でも、「周りの人への気配り」や「積極的に関わる」という積極的・能動的な意味で捉えているようです。
例えば、新入社員が何か間違ったことをしていましたた、ルールに反することをしていました。
そんな時、先輩社員がどうするか?
大したミスではなかったりすると、指摘するのが面倒臭くて、スルーしてしまうことがあります。
でも、本当に新入社員の成長を願ったら、指摘するべきです。
この見て見ぬふりをすることをこの会社では許さないというのです。
その他、この会社の倉庫ではヘルメット着用が義務づけられているのですが、出入りの流通業者がノーヘルメットで作業をしていることがあります。
そんな時に、しっかりと注意をしない社員は評価されないのです。
こういう時に見て見ぬふりをすることって結構ありますよね。
相手の成長や事故のリスク管理まで考えて、積極的に関わる姿勢を求められるのです。
先ほどの、意味に合わせると、会社としてどういう組織にしていくべきか、社会人としてどういう立ち居振る舞いをしていくかという共通の目標に向かうために、言いたくないことも言い、積極的に周りの人間に関わるということでしょうか。
考えさせられました。
当社でも、最近でこそ少なくなりましたが、
最後のコピー用紙を黙って使ってしまう
社内にゴミが落ちているのに素通りする
FAXの不調で困っている社員を見て見ぬふりをする
などなど、根本的に協調性のなさを露呈する情けない出来事がいっぱいおきました。
トイレのトイレットペーパーを使いきっても知らない顔という大惨事(笑)まであります。
この会社の事例でも当社の事例でも、根底にあるのは、職場で身近に接する人に対する興味関心だと思います。
相手に興味を持ち、同じ仲間として、助け合う、譲り合う気持ちが大事なのです。
気づいた人がやればいいという考え方もあるようですが、それは違うと思います。
そうすると、気づかない人は一生気づかないままになってしまいます。
組織人としては非常に悲しいことです。
協調性のない人は大きな仕事やよい仕事は絶対にできません。
なぜなら、周りの人に慕われたり信頼されたりすることがないから。
自分が関わる人と気持ちよく接することなしに、よい仕事が出来るわけがありません。
専務の話を聞きながら、そんなことを考えさせられました。
そして、協調性という意味を再確認することができました。
いい面談でした。感謝です。