就活生にとって一番大切なもの
先日、千葉のある大学のキャリアセンターを訪問したところ、先生からこんな質問を受けました。
「中小企業の経営者の視点から見ると就活生に一番大切なものは何ですか?」
この大学では、大手企業へのアプローチが一段落したこれからが本当の就職活動。
多くの生徒が大手企業に打ちのめされて、方向性や意識改革を求められている時期だそうです。
それにしても難しい質問です。
中小企業経営者に聞く就活生への一番の不満は「覇気がないこと」です。
明るい表情で元気な声で話す。目に力があること。これらが覇気につながるのだと思いますが、今さら、「覇気を持つこと」といっても、うまい答えではないような気がします。
ある意味、当たり前のことだし、覇気があるのに落ちている子もいっぱいいるでしょうから。
ということで、答えは一つではないと思いますが、僕が答えたのは「学ぶ力」。
毎年、特に夏以降に感じるのは、就職活動の中で面接で何度も何度も断られているにもかかわらず、意識や行動が変わらない子が多いことです。
行動した結果どこに問題があったのかに気づき、その気づきをアウトプットする力。
そして、その気づきを改善活動に移す力。
これが「学ぶ力」だと思います。
この「学ぶ力」を持っている子は大丈夫じゃないかと思います。
10月から半年間も就職活動を行っていればいろいろな気づきを得たはずです。
その気づきを語り、「すごい気づきを得たなあ」と相手をうならせるだけでもその子の印象は大きく変わります。
中小企業では、大手企業のように、部屋をノックして、面接官のいる部屋に入っていくなんてことはほとんどありません。
会議室や応接室で待たされていて、そこに人事担当者や社長が後から入ってくる。
そして、普段の会話のように、雑談や近況への質問から面接が始まります。
これでは就職活動うまくいかないなと思うパターンは、
「これまで就職活動を続けてきてどう?」
「厳しいです」
「何が厳しいの?」
「いや、なかなか受からなくて」
「なんで受からないと思う」
「自分がうまくPRできなくて」
こんな感じでしょうか。
たまに、最後が「よくわかりません」で終わる子もいます。
これでは、面接開始30秒で不採用ですよね。
そのことに気づかない学生が結構いるような気がします。
軽い会話ほど、その人の本質が見えるものです。
例えば、
「これまで就職活動を続けてきてどう?」
「厳しいですが、人の第一印象ってものすごく重要なんだなあと改めて認識しました」
「どういうこと?」
「実は、○○なことがありまして、○○という指摘をいただきました。
それから○○な行動をしたところ、○○だっだんです」
余り深い答えではありませんが、その後の面接での会話が弾むイメージはありますよね。
気づきを得る力、そしてその気づきを人に伝える力。
これを身につけるだけでも大きく就職活動は変わるのではないでしょうか。
就職活動を淡々と続けるのではなく、一日一日、しっかりとした気づきを得るという意識が大事ですね。
そして、自分の気づきを表現する力を磨いてほしいと思います。
また、「気づきを得る」というのは「感じる」と言うことです。
人は感じたらどうなるのか?
行動するわけです。
感動という言葉がありますが、この二文字の間には「即」という字が入ると言われています。
感即動ですね。
文字通り、感じたら即動く。
気づきを得る、そして、即行動を改善する。
これを繰り返していけば、光が見えてくるのではないでしょうか。