帰属欲求
先日ある職業訓練校で特別授業を行ってきました。
今回のクラスは、年齢層が幅広く、年輩の方も多くいました。
40代後半から50代前半の人が5,6人はいたかな。
3月末で修了し、就職活動と言うことだったので、就職活動に直接役立つ内容を企画。
一方的に講義しても面白くもなんともないので、グループディスカッションをしながら、企業の求める人材像とその背景、求人広告から何が読み取れるのかということなどを一緒に勉強しました。
これまでの経験では、訓練校で授業をする際にグループ分けをすると、リーダーがなかなか決まらないことが多くありました。
積極的に発言したり、場を取りまとめたりすることを避けるんですね。
でも、今回のクラスでは、4つのグループに分けたのですが、あっという間にリーダーが決定。また、グループごとの発表も当たり前のようにリーダーが行っていました。
これにはびっくりです。
たいてい、誰が発表する?みたいな感じで目で会話が始まるものなのですが。
特徴的だったのは、4チームともリーダーが一番年輩の人だったこと。
話しあった上で、「年の功で○○さんお願いします」ということはよくありますが、ほとんど話し合いなく決まったのは珍しいですね。
後で聞いたところ、リーダーとなった人は、百貨店を早期退職した人や美容業で長年勤めて異業種への転職を考えている人など、社会人としてしっかりとした経験を持っている人たちでした。
皆さんのリーダーシップに感心した一方、その裏にあるフラストレーションや不安も感じ、ちょっと複雑でした。
そこで感じたのは、帰属欲求を満たすことの大切さです。
マズローの欲求5段階では、
生理的欲求⇒社会的欲求⇒帰属欲求⇒承認欲求⇒自己実現
とありますが、その3番目ですね。
人間の3大欲求の一つは集団欲だと言われますが、人は一人では生きられません。
家族や組織、社会とのつながりが必要なのです。
長いこと会社の中で力を発揮してきた人にとって、会社という組織から離れることは寂しいはず。
組織から離れたことによる不安と、学校と言う組織に所属したことによるつかの間の安心感、そして、来週にはそこから出ないといけないという不安感。
それが交錯しているようでした。
自らリーダーシップを取ることでそれを払拭しようとしている。
発言の裏にそんな焦りや心の葛藤を感じて、ちょっと胸が詰まりました。
本当に応援したいと思いました。
50代の転職は本当に苦労が多いです。
でも、負けずに一日も早く就職先を見つけてほしい。
がんばってください!
千葉キャリでもそんな求人を頑張って開拓します。