新卒採用の責任
このところ、新卒者の早期離職がニュースによく取り上げられています。
といっても、単なる自己都合退職ではなく、採用企業側から自主退社を促されるケースです。
昇給制度や賞与がなかったり、安易に解雇されるなど、安定や終身雇用といった従来の正社員並の扱いのない社員のことを「周辺的正社員」と呼ぶそうなのですが、この「周辺的正社員」が増えているそうです。
「新卒者の就職が非常に厳しい」=「新卒者の採用が容易」
という甘い考えから、新卒採用に関心を持つ中小企業も増えています。
企業から採用に関するお問い合わせをいただいても、「中途でも新卒でもとくに構わないんだけど」と言われるケースが少なくありません。
先日もある家族経営の会社から「新卒でも採用してみようかと思っている」と軽く言われました。
学歴や年齢に関係なく実力次第で活躍できる環境があると言えば、聞こえはいいかもしれません。
それも中小企業の一つの魅力であることは確かです。
しかし、社会経験の全くない新卒者を採用するのであれば、それなりの覚悟と準備はしてほしいと思います。
教育方針や教育期間、教育カリキュラムを決めることも大事ですし、キャリアプランを描ける昇給、昇格制度を構築することも大事です。
毎年、初任給や給与制度が変わるようでは、安心して働けないですからね。
新卒を採用してみたけど、思ったより学力がなかった、ガッツがなかったなんて話を聞くと非常に悲しくなります。
と、えらそうに言いますが、そういう当社も、過去に新卒採用で大きな失敗をしています。
長期的な成長ステップが確立されていなかったため、行き当たりばったりの指導になってしまったのでしょう。
思うように成長しない、成果が出ないという中で、企業側も本人も大きなストレスを感じ、早期に退職をしてしまいました。
同期入社がいないことも大きなストレスだったと思います。
ありがたいことに、今でも連絡を取れる関係ではありますが、思い出す度に企業側の責任を感じます。
特に小さい会社ほど、新卒の採用は、入社後に想像以上の困難があることを想定して採用活動に臨んでほしいと思います。
せめて千葉キャリのお客様にはそんな無責任な会社がないよう気を配りながら、企業開拓をしたいですね。