来る者拒まず
昨日は、住宅資材関連の卸会社の新卒向け会社説明会を見学してきました。
30名弱のエントリーに対して参加者は16名。
6月に入って、各社とも、説明会の参加率がかなり下がっています。
先週の土曜日に説明会を開催した建設会社でも、33名に対して8名の参加と非常に寂しい結果でした。
学生も複数の会社に応募しているだろうから、キャンセルがでるのはわからなくありませんが、ドタキャンはやめてほしいですね。
準備している方も悲しいですし、満席になって参加できなかった学生もいるはずですからね。
もう数年前の話ですが、会社説明会をドタキャンした学生の大学にクレームをいれる社長がいました。
大学名も名前もわかっているわけですから、クレームは簡単です。
その当時の方が、企業と学生が本気で向き合おうとしていた気がします。
ドタキャンは後々、自分に跳ね返ってきますから要注意です。
この会社は70名ほどの社員がいるのですが、新卒採用を本格的に行うのは初めてです。
同社の採用活動を見ていると、社長の個性が強烈なのがよくわかります。
説明会後の選考ステップは何と面接1回のみ。
社長がこっそり打ち明けてくれたのですが、今日の説明会を聞いて面接に来てくれた学生で、本当に当社に入りたいという人がいれば、全員に内定を出したいと。
自社に興味を持ってもらえたこと自体がうれしいと同時に「社員が自ら考え、自ら動く」社風を大切にしているこの社長の基本的な考え方は、来る者拒まずなんですね(笑)
その話を横で聞いていた人事の担当者が顔をしかめていました。
現場ではそうはいかないようです。
説明会が終了後、社長に、「面接ではしっかり見極めます」と釘をさしていました(笑)
同社では、「社員が自ら考え、自ら動く」という社風なので、支店長を筆頭に営業担当者は一人一人が数字に責任を持ち、個人事業主に近いような意識で働いているのが特徴です。
そこには、仕事の楽しさがあると同時に厳しさもあります。
中途社員も営業未経験で入社した人が多くいるので、研修の仕組みなどは特に心配はありません。
しかし、基礎知識が身につけば、後は実力勝負の世界です。
中途採用に関しては、この厳しさが想像できるので、それほど多くの人が入社したいとは言いません。
覚悟した人だけが入社してくるので離職率も高くありません。
でも、学生にはその厳しさがどこまで実感できたのか。
そこに少し不安を感じました。
覚悟の決まった社員は、活躍のできる実力主義の会社。
それをわかって入社した社員には居心地がいい。
でも、それがわかっていないと長くは居られません。
面接1回で結果が出ると聞いて、参加した学生の多くが驚いていました。
そこに仕事の厳しさを感じるか、内定獲得のチャンスを感じるか。
じっくりと検討してもらいたいですね。
生半可な気持ちで入社することになったら、すぐに潰れてしまいます。
それにしても、本気で頑張ろうと思った人間なら誰でも活躍できるという環境を作っているのはすごいですね。
学歴、経験、資質は全く問わずに採用し、実際に多くの社員が成果を出し、明るく働いています。
仕事を通じて人が育つ仕組みを確立することが本当に大切だと思いました。
人に仕事をつけるのか、仕事に人をつけるのか。
その違いなのかもしれませんね。