求人広告の営業担当者に求められるもの
先日、ある設備メンテナンス関連の会社を訪問しました。
この会社の社長は、現在の採用活動にとても悩んでいました。
現在、同社を引っ張っている中心となっているのは、40代後半から50代の技術者たち。
これから繁忙期を迎えるため、即戦力としての技術者を中途採用で募集しています。
しかし、大手企業も含めて競合の多い中、なかなかそんな人材は集まらないため採用活動に苦しんでします。
これを助けるのが私達の仕事なのですが、私達の役割は大きく変わりつつあるように思います。
もちろん、同社が技術者を採用できるためのサポートは全力で行わなければなりません。
しかし、それだけでは、同社の採用の問題はほとんど解決されないままになってしまいます。
というのも、50代の技術者だけで会社を運営していることのリスクはこれからますます高まるからです。
技術者が高年齢化する一方、市場は、ユーザーからのコストダウン要求により縮小傾向にあります。
今のまま、場つなぎ的な採用活動をしていたら、数年後には、会社の生み出す付加価値は落ちる一方で、にっちもさっちもいかない状況になってしまいます。
社長もそれはわかっているはず。
しかし、何も変えられない現状がある。
そこに社長の一番の悩みがあります。
本当はメンテナンスのできる若手技術者を育てたい。
しかし、それには4~5年かかります。
この先の市場の動向が不透明で、自社の売上拡大が見えない状況の中で人材育成する余裕があるだろうか。
また、そもそも、縮小傾向にあり、大手企業の下請け的立場である自社に若者が興味を持ってくれるのか。
社長はそんな葛藤を抱えているのです。
この社長は一見、会社の人材戦略に頭を悩ませているように見えます。
しかし、実はそうではありません。
市場が縮小する中で、自社をどのような方向性に持っていくのか?
というビジョンがないことに悩んでいるのです。
そんな中で、僕たちに求められているものが大きくなってきていますね。
これまでは、極端に言えば、目先の採用活動の支援だけしていればよかったのかもしれません。
しかし、これからはそれでは我々の存在意義はなくなってしまいます。
企業の人材戦略を考えるために、まずはその大本となる経営戦略の悩みを聞いてあげることのできる知識を身につけなければなりません。
そして、さらには経営戦略の立案に役立つ情報の提供、ノウハウの提供まで出来るようになれれば最高です。
広告営業の仕事がどんどん奥深いものになり、やりがいの大きなものになっているのを感じます。
柴君、どんどん仕事が楽しくなるよね!