現場で育つ
先日、ある建設会社の2年目の社員をインタビューしました。
施工管理の職種に就いているのですが、とてもしっかりしていてたくましかった。
彼に1年目でどんな仕事をして何を感じたのかを聞いたところ、いい話をしてくれました。
同社では、現場を持たされるのが比較的早く、入社半年後には、一つの現場を任されます。
彼も、先輩の補佐で1つの現場を担当した後、10月に改修工事の現場を一人で任されたそうです。
ここでの気づきが大きかったと話していました。
この現場では、ゼネコンの下請けという形で、元請けの現場監督の下で働くことになったそうなのですが、この監督が結構厳しかったようです。
出会うなり、「俺は新入社員のお守りをするつもりはない」というような趣旨の話をされたようで、さすがに度肝を抜かれますよね。
ここで彼が一番初めに学んだのが仕事のスタンス。
「元請けの人と一緒に仕事をする」というイメージを持っていたそうなのですが、そうじゃないことを教わったと。
下請けではあっても、あくまで、「自分で考えて動く」ことが当たり前で、元請けの担当者に「どうすればよいですか?」という質問は全く通じないことに気づいたと話していました。
それから、自分で考え、わからないことは会社に戻って上司に相談し、主体的に関わるようになったそうです。
これはとても大きな気づきだと思います。
千葉キャリのクレドにも
「私たちは自分で判断できる能力を持ちます。自分で考えないで、上司に「どうすればいいですか?」と聞くようなことはしません」
と言う項目がありますが、これが意外と難しいもの。
ついつい自分の頭で考えずに、答えを求めてしまいがちです。
彼は、建設現場で、元請けの現場監督、職人さんなどと接する中で、仕事を通じて、体験としてそれを学んだわけですね。
3か月の工期を終えて、打上げの飲み会を行った時に、元請けの現場監督から、「1年目にしてはよくやったよ!」と誉められたそうですが、ものすごくうれしかったでしょうね。
これはとてもいい話だと思いました。
現場で全く通用しないことを思い知り、気づきを得て、行動を変える。
そして、結果を出し、誉められる。
だから、育つんですね。
昔はどこにでもあった姿なのでしょうが、口では厳しいことを言いながら、陰からしっかり見て、サポートしている大人たちの姿が目に浮かび、微笑ましく思いました。
職人的な厳しい世界の方が、古き良き時代の教育システムが残っているものなのかもしれません。
若手が育つ環境づくり、上司や先輩のサポートなど、考えさせられました。