磨く
仙台市の秋保という町にある「主婦の店さいち」。
人口4700人の町にも関わらず、このスーパーのおはぎはお彼岸の中日には1日で2万個も売れると言います。
おはぎだけでなく惣菜部門の売上が全体の半分を占めると言うとんでもないお店ですが(業界平均は10%程度)、惣菜を作るためのレシピがないと聞き、驚きました。
レシピをなくした経緯というのは、
ある時、お客様から「おいしくない」という声が入った。
このお店の惣菜は、流れ作業ではなく、誰が何を作ったかはっきりわかるので、作った本人にその声を伝えたそうです。
すると、「私はレシピどおりにやりました」と反省しない。
お客様にお応えすると言う気持ちがないようでは商売にならないと言うことでその場でレシピを破り捨てたということだそうです。
現在は、レシピなしに、マンツーマンで料理を教えて、引き継いでいるとのことです。
レシピをベースにそこに魂を込めて料理を作ると言うことが大事なのでしょうね。
これは我々の行っている営業活動にも言えることです。
ちょうど今、当社の新人営業がテレアポを行っていますが、これも基本のトーク通りに話せば成果が出ると言うわけではありません。
同じトークでも、その言葉に気持ちを込めて、相手に感情移入をして、初めてアポイントにつながります。
レシピ、マニュアルを「磨く」ことが大事ですね。
業界は全く違えど、仕事の本質は同じだなあと改めて感じました。
とはいえ、誰でもできる簡単なレシピや誰でもできる簡単なマニュアル、簡単な営業といった仕組みを作ることもビジネスではとても大事。
個人のスキルを高めることで差別化するか、仕組みをつくることで差別化するか。
そこは戦略として考えるべきところですね。
ちなみに、マンツーマンで料理を教える中で、「私は料理が得意です」といって入社してくる新人はなかなかうまくいかないそうです。
30年かけて作り上げてきた「さいちの味」があり、ゼロになってそれを覚えることが大事なのですが、料理に自信を持っている人は、なかなかゼロになれないんですね。
「私は料理はわかりません」とまっさらな状態で入ってくれる人の方が素直に吸収し、覚えが早いそうです。
これはどこの世界も同じですね。
素直さが成長の秘訣です。