2年半で新卒が1/5に
先日、あるアパレル系の会社に新卒で入社して3年目の子と会いました。
同社の新卒の状況を聞いてびっくり。
同期入社が約250人で、現在残っているのは50名にも満たないとのこと。
2年半で80%が辞めてしまうんですね。
社員数は1000人ちょっとの会社なので、2割近くが流動していることになります。
地元の中小企業にはあまりアパレル系の会社がないので、カルチャーショックでした。
しかも、結構テレビCMやってるし。。。
他の会社も同じような状況なのでしょうか。
彼に言わせると、社員が辞める理由は大きく2つ。
1つは給与の安さ。
もう一つは転勤の多さ。
入社3年目の彼の手取りは14万円だそうで、とても上場企業の給与だとは思えません。
また、すでに4回の転勤をしていて、中部から東北、北関東と転勤に容赦はないようです。
給与を上げる方法はないのかと聞いたところ、店長になるしかないそうなのですが、その店長になるのは、早くても30歳とのことで、このままの状態で5年以上我慢しないといけないと言います。
この話がその通りであれば、それは社員は辞めてしまうなあと思いました。
入社後安い給与で30歳まではほとんど評価されないということですから。
先日、社団法人日本能率協会が「人づくり実態調査」というのを発表しましたが、それによると、人づくりに成功していると感じている企業では、評価と教育が重視されていました。
具体的には、人づくりに成功している企業では、低迷している会社よりも、「信賞必罰が明確だ」と答える企業が多く、「教育予算は経営環境に関係なく一定の予算を確保している」と答える企業が多くありました。
評価と教育の仕組みのできていない企業では、人づくりはできないし、若くて優秀な人材がどんどん流出していきます。
上場企業であってもそれは変わりありません。
そのことを再認識したという点では大きな気づきがありましたが、何とも悲しい話だと思います。
手取り14万円で30歳まで店長になれないなんて、夢がないですよね。
でも、これも安定企業に入って、ある意味安定している生活です。
自ら辞める選択をしなければ、辞めさせられるわけはないのですから。
ここで思うのは、「安定」を求める学生は多くいますが、本当の意味で「安定」とは何かを考える必要があるということ。
ある経営者の言葉に、
「安定は情熱を欠き、不安は情熱を掻き立ててくれる」
という言葉があります。
実は、安定ばかりが素晴らしいものではありません。
その証拠に、彼は2年半で安定した現状に不満を抱き、転職をしたくなっているわけです。
本当に自分は「安定」を求めているのか?を考えることも大事ですね。
僕なんかは、どちらかというと「情熱を掻き立ててくれる不安定」を無意識に求めているようです(笑)