「何者」を読んでみた
10月に映画公開された「何者」
就職に関わる人間としては何かと気になっていたので
いまさらながらに朝井リョウ氏の原作を読んでみました。
本当は映画を見に行きたかったのですが、なかなか時間の
都合がつかず、まずは本からということで。
就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生の
話なわけですが、自分の就活時代を思い出し、
就活生の心の葛藤に共感する部分が多くありました。
友人との距離感が難しい
まだ見ていない人が面白くなくなってしまいますので、あまり中身に関しては
触れませんが、私も就活中は友人との距離感の取り方では苦労しました。
友人の就活状況を知ると焦るので聞きたくない。
でも、情報共有しておかないと、自分だけ取り残された感があり、焦る。
このあたりは、「何者」の主人公と同じでしょうか。
友人と志望する会社がかぶるのも嫌でしたね。
どちらか一方が落ちるのも嫌だったし、仮に両方受かっても
同期として競争するのも嫌でしたし。
なので、誰々がどこどこの業界を中心に動いていると聞くと、
妙にその業界を避けたりしていました。
とんだ小者ですね(笑)
ですので、この5人が様々な心の葛藤と戦っている姿にはとても共感しました。
就活が自分を見直すきっかけになる
また、ウィキペディアによると「何者」の解説として
SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、それぞれの
抱く思いを複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。
やがて内定をもらった「裏切り者」が現れたとき、これまで
抑えられていた妬みや本音が露になり、ようやく彼らは自分を見つめ直す。―引用―
「何者 (朝井リョウ)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。(最終更新 2016年12月6日)
と書いてありました。
確かに就活は自分を見つめ直す大きなターニングポイントになると思います。
初めて社会人になるための活動ですから当たり前ではありますが…。
・これまでいかに自分の将来と向き合ってこなかったかを思い知る
・業界や企業を研究する知識や情報収集能力のなさに気づく
・自分を認めてもらえない(否定される)理由に悩む
これらがぶつかる壁だと思いますが、どれもとても重要な経験ですね。
私も自分の知らない業界や優良企業(後から知る)を受けている友人を見て、
自分はほんとに無知なんだなあと凹んだものです。
また、他人と比較する必要はないとはわかっていつつ、
受けている会社の知名度や規模を比較しようとする自分に気づき自己嫌悪になったり。
ちょっと、登場人物の里香にかぶっているかもしれません。
まあ、凹むことも多かったですが、今の自分にとってはあの時の経験は大事でした。
精一杯自分自身と向き合えたので。
就活が苦しいものである必要はないのだけど、大なり小なり
壁にはぶつかると思うのでその経験をこの先の人生に活かしてほしいですね。
違う価値観を持った人に触れるのが大事
価値観が偏っていたり、強い自己概念があると、
就活がなかなかうまくいかないケースが多いですね。
特に社会と触れ合っていないとギャップが大きいので。
そういう点で、自分と違う価値観の人と触れる機会を増やしておくと
自分の将来を考える上で参考になるのではないでしょうか。
幸い今はネットが発達していて、業界やビジネスに関する様々な情報が得られる上、
それに対する有識者の考え方などを知ることもできます。
例えば、NewsPicksなどは視野を広げるには良いかもしれません。
ちょうど今週は、大企業に勤めることこそがリスクだというテーマの記事が
出ていましたが、学生で集まって話していても、そういう発想はなかなか生まれません。
ベンチャー志向の学生が周りにいれば別ですが…。
なので、同じ価値観の人ばかりで群れないことが大事かもしれませんね。
ということで、就活生は、ぜひ、原作を読むなり、映画を見るなりしてみてください。
考えさせられることがいろいろとあり、気づきを得られるのではないでしょうか。