ノルマ
マイナビが20新卒に行った就職意識調査で共感した点があります。
それは、行きたくない会社のトップが「ノルマのきつそうな会社」(34.7%、前年比3.8pt増)だったこと。ちなみに、これまでは、19年連続「暗い雰囲気の会社」(28.5%、前年比3.3pt減)が1位だったんですね。
ウィキによると「ノルマ」とはシベリアに抑留されていた人たちが帰国した際に日本に広まった言葉で、半強制的に与えられた労働の基準量を意味します。
私はこの「ノルマ」という言葉が嫌いなのですが、「ノルマ」とは別に「目標」はあってしかるべきだと思います。会社の目指す目標を全員で追いかける。
目標の立て方に根拠がなく、数字だけが割り当てられるのであれば、それは「ノルマ」に近いのですが、目標が社員の中で納得のいくものであれば、それは「ノルマ」ではありません。
「ノルマ」ではなく「目標」を立てられる組織、「目標」を追いかけられる組織は強いと思いますね。
先日、経営状況の厳しい野村HDのCEOがインタビューで、社員に「赤字の会社である事実を認識せよ」と言いたいということを話していましたが、社員に危機感が伝わり、黒字化することが目標になれば再浮上するでしょうし、黒字化がノルマになれば、また不正のようなことが起きるのかもしれません。そういう点で、「ノルマ」と「目標」の違いはバックグラウンドの意識の相違なのかなあとも感じます。
私の感覚では、総じて金融機関では「ノルマ」を与えられる感が強いように思います。最近も、ある銀行の担当者から、投資信託の件数目標があるので、お付き合いいただけないかと言われました。
「いまだにそんな営業やっているんですか?」と言って断りましたが、担当者自身も納得がいかずに営業していると本音を漏らしていて可愛そうでした。
商品の中身で勝負できず、自分の個人的事情で売るしかない情けなさ。私もサラリーマン時代に何度も経験があります。もちろん逆らうような度胸はありませんでした。。。
典型的なのはクレジットカードの新規獲得ですね。
大した特典もなく、お客様にはメリットがないので、「初年度は年会費無料なので、1年だけ付き合ってください」といって取引先に依頼する毎日。思い出すだけで情けなくなります。
自社の商品でお客様に付加価値を提供しつつ、全社で高い目標を追いかける。そんな会社でありたいと改めて思いました。