留年は就活に不利?就職留年は?成功のコツなど
◆留年は就活に不利に働くのか?
様々な理由により、留年を経験された方もいらっしゃるかもしれません。そして、留年したことが就活に不利な影響を与えてしまうのではないか、と気にしている就活生の方も数多くいらっしゃることでしょう。
結論としては、留年の経験自体が就活において不利に働くことは、ほぼありません。
しかし、留年をただの留年として片付けるだけで就活を行うことは、少々甘い考えであると言わざるを得ないでしょう。
◆留年を就活で不利な要素にしない方法
だらだらと留年した様子が企業に伝わってしまえば、これは就活にはとても不利なことになります。
就活において留年を不利な要素にしないためには、留年の理由が明確かつ妥当であるかどうか、自身を振り返って整理し、確認してみましょう。
留年に明確かつ妥当な理由があれば、留年を不利な要素で終わらせることなく就活を進めることができます。
例えば、自ら選択して留年した場合などは「わざわざ留年するだけの理由があったのか」「他にも選択肢がなかったのか」「それらの選択肢と比較して留年を選んだ決め手となったことはどういったことなのか」などのポイントを押さえ、留年してまで取り組んだことにそれなりの成果が得られたか、といったことを整理して伝えることができればまず問題はありません。
論理的に説明できるよう、準備しておきましょう。
企業に納得してもらえるような理由がなく、単に勉強不足で単位が取れず留年してしまった場合は、自身が留年をどのように受け止め、何を反省点とし、その後どのような行動につなげていったか、といったエピソードを伝えることが非常に重要になります。
素直に理由を伝えるだけでなく、反省点や留年時の時間をどのように活かしたのかを、意識的、かつ論理的に伝えることができれば、面接官にも悪い印象を与えることなく、面接を進めることができるでしょう。
◆就職留年という選択肢は有効か?
第一希望の企業から内定がもらえず再度その企業へ挑戦したいという方や、内定はもらえたものの希望する会社ではないという理由から、就職留年を選択する方が増加していると言われています。就職を希望する会社が新卒採用のみの場合においては、就職留年は苦肉の策として一理あるかもしれません。また、就職留年を選択することで、改めて自分を見つめ直し、就活に関する問題点を改善し、次の就活に活かせるという側面を持っているのかもしれません。しかし、就職留年をしたからといって確実に内定がとれるわけではありませんし、企業によってはあまり良い印象を持っておらず、書類選考の時点でばっさりと落とされてしまう可能性もあります。
また、留年を選択するにしても学費が余計にかかることになり、金銭的負担も大きいため、おすすめできません。
「就活が上手く行かなかったから」という理由だけで留年をしているのでは、企業側にとっても採用に値するメリットがありませんし、自分自身の成長にも繋がりません。
仮に1年の就職留年の方と現役生を比べた場合、1年でも会社の中で経験を積むことのできる伸びしろの多い現役生の方が、就職留年をしている人よりも採用のチャンスに恵まれることでしょう。
また、就職留年を選択し運良く採用になったとしても、現役の人より1年遅く社会人になるわけですから、早く成長するために人一倍努力しなければならない点が多々あるということは十分に考慮しておかなければなりません。
では、就活がなかなか上手く進まず「このままでは内定を取れないまま卒業してしまう」という場合はどうすれば良いのでしょうか。
この場合は希望とは異なる中小企業であっても、何とか内定をとって3年は勤めあげ、他の企業からも認めてもらえる程度のキャリアを積む、という選択肢が有効的です。就職留年をするよりも、就職に有利に働く可能性が高いでしょう。
キャリアについては、就職や昇進に役立つ一時的なものとして考えるのではなく、自らの将来像を見据えて、数十年単位で考えるようにしましょう。
その方が、スキルも身に付きやすくなりますし、結果的に企業にとっても良い人材として認めてもらいやすくなります。
◆留年経験のある就活生が気をつけるべきこと、成功のコツなど
大学に進学するにあたっては、親からの支援を得ている方がほとんどでしょう。
留年の経験があるとなれば、もちろんその分親に余計に負担をかけているということになります。
就活では、親からの支援に対する感謝や、ストレートで大学を卒業できなかった自分へのふがいなさなど、どれだけ気付きを得ているかということは、基本として、大前提としてあるべきことだということをしっかりと肝に銘じておきましょう。
現在は留年に対するイメージは昔ほど悪いものではありません。しかし大半の留年はマイナス評価に繋がりますので油断は禁物です。
何かに徹底したこだわりやビジョンがあり、それを実現させるために留年したという明確な理由があれば別ですが、ただ単位が取れずに留年したという場合には「留年など気にしない」というわけにはいかないのが現実です。
就活の際には、留年したことでしか得られなかった経験など、マイナスの出来事をいかにプラスに変えられるかという視点が大事になります。
どうしてもプラスに変えられる要素がないような留年の仕方をしてしまった場合には、敢えて留年の内容を美化せず、正直に反省点や、留年時に自分がすべきだと感じたことを洗い出し、立ち位置をはっきりさせて、他の学生よりも一歩社会人に近い存在であることをアピールできるよう、留年を経験する前と比較して、精神的にも成長した部分を伝えられるようにしておきましょう。
何にせよ、理由を明確にさせることもできず、成長もないまま、ただ「留年の経験がある」というだけでは、就活を成功させることは厳しい、ということはしっかりと把握しておいてください。
面接官の留年に関する質問には、いつでも答えられるよう、自分の中での答えをはっきりさせておき、きちんと伝わるように説明できるようにすることが最も重要です。
これらの点に注意して就活を進めていけば、留年経験のある就活生であっても、内定を取れる可能性はあります。
後ろ向きにならず、自分の状況をしっかりと見据えて、就活を進めていきましょう。