給与VSやりがい
今日の日経新聞の一面に、「スタートアップ企業への転職相場が上昇している」という記事がありました。
人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメントによるとスタートアップ企業に転職した人の平均年収は調査を始めた12年は514万円だったが、19年1~2月は721万円と40%増えた。18年通年の水準からも20万円強増えた。
とのことで、成長分野における専門人材の採用競争は激化していますね。
企業の採用力を考える上で、給与はとても大事な要素の一つです。スタートアップ企業と同じ水準で考えるのは難しいですが、中小企業においても給与の問題と向き合うことが必要な時期に来ていると思います。
というのも、最近、弊社の人材紹介サービスにおいて、地元企業に内定が出たにもかかわらず、辞退する人がとても増えています。その大きな理由の一つが給与。
千葉県相場ということではないのでしょうが、極端に給与が下がるケースが連発したのです。もちろん、実力がわからないので低い給与から始めて、実績を出したらしっかりとアップしましょうという考え方もあると思います。私も転職時に大幅に年収がダウンしましたが、それは、その後に必ず以前より稼いでやる!という強い意志とそのイメージが描けたから。でも、そうではなく、そもそもの給与水準が低く、この先も大きく上がっていく可能性がないとなると、なかなか厳しいですね。
お客様の話を聞いていても、なぜこれほど給与が低いのか?がわからないことがあります。給与が著しく低いケースにおいて、その理由として、欲しい人材層の給与水準を理解していないということや、給与に対する思想が何十年も前から変わっていないということがあると思います。
年功序列の給与体系をとっている会社などでは、30歳でこれくらいの給与という社長の感覚が昔からずっと一緒という企業もあります。低成長日本の象徴ですね😁
先日、とある地方の中小企業の採用を考えるシンポジウムに出ましたが、地方の首長さんが、Uターン就職を強化するに当たって、Uターンで給与は下がっても、それ以上にやりがいを感じられるということをしきりに訴えていました。でも、この給与の下がり方が尋常じゃないんだよなあというのが本音。
給与かやりがいか、といった二択を迫るのはあまりにも酷です。それも大都市に出ていった若者に、給与ではなく田舎の楽しみ方を知ってほしいと言っても説得力がないかと。。。
中小企業経営者の社員の給与に対する考え方はUPDATEが必要ですね。
高い給与ではなくとも、低くはないと明確に言える水準にはしたいものです。もちろんそれは最低限の話で、高い給与が払えるように経営の質を高めていくことが大事ですね。
ちなみに、記事の中に上場企業の平均年間給与は約620万円とありましたが、どんな統計なんでしょうね。私も上場企業にいましたが、ほんまかいなと。。。統計のベースが知りたいものです。