最強の経営者
高杉良、最後の企業小説ということでどうしても
読みたくて、買ってしまいました。
残念ながらkindle化されておらず、ハードカバー
で買うしかなかったのがちと残念でしたが。。。
アサヒビールの樋口廣太郎さんの話ですが、樋口さんの
すごさがとてもよく伝わってきました。
器の大きくない自分にはあまり真似できないなと思いつつ、
「社長の指名は社員の士気高揚を引き出すこと」
というのには共感しました。
社員の士気を下げるリーダーではいけませんね。
樋口さんは草稿なしで人の心を動かすスピーチをすることで
有名だったそうですが、初の社長朝礼で話したのが
「熱気球論」というもの。
人間は本来向上心を持ってしかるべきなので、困っている
問題を取り除いてあげれば意欲は熱気球と同じように上昇し、
前向きになれるという理論。
その場で作ったのではないかという説もあるようですが
熱いですねえ。
熱気球論を唱えた上で、この会社の社員に欠けているのは
向上心とやる気ではないか!と叱咤激励するのですから
さらに熱い。
自分も熱く生きたいと改めて思いました。
アサヒビールがV字回復した当時のことがよく
わかるのでとても面白かったです。
社内でこの話をしたら、樋口廣太郎は知らないわ、
高杉良は知らないわ、アサヒビールが昔、夕日ビール
と言って馬鹿にされていたことは知らないわで、
自分がおっさんであることを改めて確認しました。
カルチャーショックですね。
先日は、社員の誰一人「グーグーがんも」を知らず
カルチャーショックを受けたところですが(笑)
逆の意味でカルチャーショックと言えば、
樋口さんの強さ。
人事権を持ちながら「もう席に戻らなくていい!」
といった話や奥さんとの美術館周りの話にはびっくりします。
ある美術館で左回りの順序なのに、右周りで回ることを主張。
奥さんが順序に沿って左回りに回ったところ、亭主に逆らって
逆回りするとはとんでもないと頭を下げさせたとのこと。
昔はこういう話が逸話になるのですから。
今ではこんな亭主関白、問題になってしまいそうです。。。