企業を選ぶ求職者
最近、千葉キャリ掲載企業の応募数に格差が生じてきました。
もちろん格差は昔からありますが、それは、募集形態や仕事内容、求める経験の有無などの条件面の影響が大きかったように思います。
しかし、今は、仕事内容や求める条件に差がないのに、応募数に大きな差が生じるのです。
つい先日も、同じエリアで同じような事務系の仕事なのに、片や1週間に数十件の応募片や数件の応募と、大きな差が生じました。
社内でも話題となり、原稿を見比べて見たのですが、給与も含めた条件に差はないですし、求められる経験やスキルにもほとんど違いはありません。
一方の会社の原稿が特に悪いというわけでもありません。
そう考えるとどうも企業の規模や安定性が大きな影響を与えたようです。
1週間で数十件の応募というのは、千葉キャリの中ではトップクラスの反響です。
成功要因をしっかりつかみたいということで、ヒットの理由を探りました。
その原稿の特徴として上げられるのは
・商品力のあるメーカー
・従業員100名超
・関東以外にも事業所がある(本社は九州)
・新しい拠点の立ち上げメンバー
といった点でした。
募集をしていた千葉の工場では社員が数名しかおらず、実際は、地元企業で働くのと環境に差はありません。
それでも、同社が選ばれるわけです。
これぞまさに企業力なのだと思いました。
もちろんBtoBの会社なので、一般的な知名度はありません。
それでも、社員数、商品力などで信用ができると思うと応募が殺到するわけです。
もちろん企業力が高いほど、採用力が高いというのは昔から変わらないわけですが、最近は、その影響がとても強くなってきている気がします。
新卒に指摘されている大手・安定志向が中途採用においても生じているのかもしれませんね。
業界や職種に柔軟性を持てば、もっと就職率、内定率は上がるはずなのですが、そこに強いこだわりがあるのが最近の特徴のような気がします。
その証拠に、千葉キャリのアクセス数と企業への応募数は正比例しているわけではありません。
アクセス数は増えているのに応募数が減る。
掲載企業の中にもそんな現象がよく生じています。
求職者が企業をしっかり選んでいるということなのでしょうね。
今回のケースも数年前なら、同じエリアの同じような職種なので、どちらの会社にも応募するという求職者も多かったと思うのですが、今回は片方にだけ応募しているのです。
数件しか応募のなかった企業からすると、応募者をすべて取られたとも言えるかもしれません。
大手媒体ならまだしも地域の中小企業に特化している千葉キャリにおいては、余り生じなかった現象です。
昔は、企業力はなくとも、原稿を工夫し、夢やビジョンを語ることで採用を成功させることができました。
今でもその構図は変わりませんが、人を集めるだけの夢やビジョンを語れる会社が地域には少なくなってきているのかもしれません。
企業力の低い会社にとっては、これまで以上に採用が難しくなることは否めないようです。
とはいえ、求人広告の会社として、企業力=採用力と言ってしまっては我々の存在価値がありません。
企業の魅力を引き出す取材力、そして原稿力をもっと磨かねばなりませんね。