大手志向の厳しい現実
海老原嗣生氏の「就職、絶望期 若者はかわいそう論の失敗」を読みましたが、様々なデータ分析がされていてとても参考になりました。
中でも改めて千葉の学生が大手企業に就職するのは難しいんだなと感じたデータがあったので、ちょっと共有します。
学生の大手志向を表すデータとして企業の従業員数別の求人倍率が使われることがよくあります。
2012年3月卒業予定の学生においては、300人未満の企業においては、3.35倍なのに対して、5000人以上の企業においては、0.49倍。
これは有名なデータ。
これだけでも単純に大手企業は厳しいなと感じるわけですが、この数字をもっと細かく見ていくとその厳しさがさらに浮き彫りになります。
従業員5000人以上の企業の求人数は約4.5万件。
就職ランキングトップ200に入る人気企業の求人数は約2万件。
一方、新卒の民間企業への就職希望者は約45万人。
その内、旧帝大と早稲田・慶応だけで約4万人。
4.5万件と4万人、2万件と4万人。
学歴上位校がすべて優位というわけではありませんが、単純比較すると、無名大学の出身では、この枠で戦うのは相当大変な感じがします。
さらに、日経リサーチが発表している主要1000社の求人数は多くても10万件と言います。
民間企業の求人数が約55万件なので、約2割ですね。
学生の数と比較すると、就職希望の学生の3割しか、名前の通った大手には入れないというわけです。
学生の7割が、名も知らない中小企業に入社するという事実。
これを改めて認識する必要を感じました。
この本を読んで、改めて千葉キャリ頑張らねばと思いますね。
学生に伝えたいのは、大手はあきらめた方がいいということではありません。
大手優良企業でやりたいことがあるのであれば、チャレンジしてみるべきでしょう。
しかし、多くの学生が無名の中小企業に入社することになるという事実は知っておいた方がいいということです。
そうすれば、就活に向けた意識や準備が変わるのではないでしょうか。
名前の知らない会社が誰に何を売って、どんな役割を果たしているのか。
そこで働くことでどんな喜びを得られるのか。
仮に入社したらどんな人生を歩めるのか。
そんなことを考える、想像する機会を持つことが大事なのだと思います。
名前も知らない何をやっているかわからない会社。
我々には、そんな中小企業の中身をよりリアルに伝える努力、工夫が今まで以上に求められているはずです。
そして、学生には、会社のHPやパンフレット、求人広告を見て、会社の特徴や雰囲気、仕事内容や社風を読み取る力を養ってほしいと思いました。