採用への本気度
先日、ある会社を訪問したところ、採用活動に関する興味深い話が聞けました。
同社は、創業以来ずっとおつきあいのある会社なのですが、千葉キャリとの相性もよくコンスタントに応募がある状態です。
特にここ数年は、不況の影響もあり、応募数がどんどん増加しています。
社長は、好景気で中小企業に人が来ない時代ではなく、今は不景気で人が来る時代なのだから、今こそ、採用の窓口を開いておかないといけないと言います。
同社では、事業の一つで専門店を運営しているのですが、店舗では、毎回店長が欠員が出た時に慌てて募集をかけているそうで、そのことを厳しく指摘していました。
何年も店舗運営していると、応募の多い時期、少ない時期なんかは分かるはず。
応募が来るなあと感じた時は、多少無理してでも採用をする気概を持たないといい人材は採用できないと言います。
社長は毎年の手帳に、折込広告で応募が劇的に多かった日をメモしています。
自分が直接お店をみていたころは、翌年に前年の手帳を見返し、戦略的に募集をかけたと。
人がしっかりと選べない状態で採用すると失敗する。今は、応募が多くいくらでも人を選べる時期。
徹底的に選んで採用することにこだわっているとも言っていました。
そんな同社では、今年は新卒を3名採用する予定なのですが、現在1名内定。
その子がとてもすばらしいと絶賛していました。
その中で、社長がさらっと語っていた話に驚きました。
「彼女が、マックでアルバイトしているということだったので、店舗に見に行った。とてもよい働きぶりで実に良い子だった。面接の内容と合わせて文句なしに採用を決めた」と
当たり前のように言っていましたが、採用前に応募者のアルバイト先に偵察に行く社長がどれほどいるでしょうか?
しかも、社員100名、売上70億を超える会社の社長です。
改めて、この社長の採用に関する信念と行動力に感心しました。
新卒は3名採りたいが、いい子がいなければ0でもいい。
3名を採らないといけないわけじゃないので、妥協はしないといいます。
社長の話を聞いて、中小企業の採用活動のあり方を再度見直す必要があると感じました。
中小企業にとって、成長のカギは採用活動に対する信念。
中途採用においては通年採用がとても重要です。
千葉キャリが成長してきた成功要因を見つめなおし、もう一度、基本に立ち返った信念ある採用活動の提案が必要ですね。
いつの間にか、応募があった、なかった、人が採れた、採れなかったという単なる媒体売りになりかけていたのかもしれません。
社長の採用にかける強い信念に大きな気づきを得ました。
ちなみに、これは新卒にとっては厳しい話ですね。
3名の採用枠があっても、必ず3名が採用されるわけではない。
多くの中小企業が同じような状態です。
買い手市場の中、どうやって評価されるか。
就活のテクニックではなく、考え方、生き方、具体的な行動が評価されるのです。