新入社員の涙
先週末の2日間で新入社員のフォローアップ研修を行いました。
今回は、3社7名の参加。
目的は半年間の業務を振り返り、課題を洗い出し、課題の解決法を考え、具体的な実行計画を立てること。
業務に慣れてきて緊張感が緩んでいることもあれば、業務を与えられる意図が分からず不満が募っていることもあります。
また、思うように仕事のレベルが上がらず自信を失っているなんてこともあります。
そんな新入社員の状態に気を配り、タイトル通りフォローアップしてあげることが大切です。
研修の多くの時間を振り返りに使いました。
自分の半年間を振り返り、何ができて、何ができなかったのかを洗い出すと同時に、時系列で月ごとの充実度を10段階で自己評価してもらいます。
そして、本人には内緒で、上司や先輩から収集したアドバイスシートを配布。
そこには、本人に期待することや改善してほしいことなどが記載されています。
これらをもとにグループ内でフィードバックし、自分の課題の洗い出し、解決法を考えるのです。
このフィードバックを行う中で、3人の社員が涙しました。
涙の理由は悔しさや不安でしょう。
充実度の自己採点を振り返り、充実感を感じられていない現状を再認識し悔しさがこみ上げてきた人。
上司や先輩に自分の仕事への真剣な取り組み姿勢がうまく伝わっておらずコミュニケーションの難しさに衝撃を受けた人。
営業という業務の中で数多くの失敗を経験し、自信を失いかけている人。
3人とも会社で泣いたことなどないはず。
でも、人知れず自分自身と戦ってきたのだと思います。
みんなの悩みや不安はとても健全なもの。
社会人と成長していくために乗り越えなければいけない壁です。
今回の研修で、心の中にため込んでいた不安や悩みや悔しさを吐き出すことで、気持ちがリフレッシュされ、また精一杯仕事に打ち込む環境が整いました。
それぞれにとても高いモチベーションで研修を終えることができ、価値ある研修ができたと思います。
この研修を終えて感じたのは、中小企業で新入社員を育成するのは本当に難しいということ。
小さな会社では、同期や同年代の社員がおらず、不安や悩みを打ち明けられる相手がいません。
そのことが大きなストレスにつながっていることを感じました。
緊張の糸を緩めてあげないと、頑張れば頑張るほど糸がプチンと切れるリスクが高まります。
経営者は新入社員への気遣いをしようと気を配っているのですが、現場で直接接する上司や先輩にはそこまでの気配りはありません。
自分が新卒入社で育ってきたというわけではないので、新入社員の気持ちまで想像できないとい言うのが本当のところだと思います。
だからこそ、会社全体で「関わる」ということを徹底しなければいけません。
仕事を厳しく教える一方で、不安や悩みに共感してあげ、心をオープンにして付き合える優しさを持つ先輩社員をどれだけ増やせるか。
そんな上司・先輩の育成こそが、新入社員育成の鍵だと思います。