興南高校の我喜屋監督
先日、甲子園で春夏連覇した沖縄興南高校の我喜屋監督の対談を読む機会がありました。
とても面白いことを話していたのでいくつか紹介。
・反応野球
興南高校の目指す野球は反応野球だそうです。
ありとあらゆることへの対応力を身につけるというのがその趣旨。
例えば、一般的にキャッチボールでは、相手の胸をめがけて投げなさいと指導をしますが、我喜屋監督は逆とのこと。
「どこに飛んでいくかわからない相手の球をフットワークを使って正面で捕ってあげなさい」
と指導するそうです。
これが反応野球。
面白いですね。
スポーツも仕事も、人によって理論も違うし、同じ人が言う理論も日ごとに変化する。
その変化に対応できる人間じゃないと大きなことはできないと言うのです。
ありとあらゆることへの対応力を身につけていくという考え方が指導の根底にあるのですね。
・一分間スピーチ
興南高校の野球部では、朝に15分間の散歩があり、そこで感じたことを1分間スピーチさせるそうです。
集団では歩かせず、読んで字のごとく「散って歩け」というのが散歩。
五感を全部働かせて、見て聞いて嗅いで何かを感じ取ってこいというのです。
毎日これを徹底して繰り返すことで、部員全員が自分自身の考えをしっかりと話せるようになると。
これはすごい。
甲子園で勝つためのメンバーを作るのではなく、まさに人物を育成することが監督業の根幹なんだと感じました。
「感じる」「気づく」という力がいかに大切なのか。
この力が身につくと試合における0コンマ何秒の世界を直感でつかむようになることができると言うことです。
スポーツにも感性が大事だと言うのがよくわかります。
毎日の散歩で第六感を働かせ、その気づきを1分間スピーチする。
これを毎日繰り返しているというのですから、それは強い子が育つわけです。
人材育成に対する強い信念と軸を感じてとても参考になりました。
こういう話を聞くと本当に「教育」というのが大事なんだなあと感じます。
ここで育った球児たちは、野球の世界を離れても大きくなるでしょう。
それこそ、就職難などお構いなしだろうなあ。
そんなことを感じました。